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重い近視患者の症状進行防げるか 大人では初の臨床研究始まる
2023年11月27日
重い近視の患者の目に赤色の光を当てて、症状の進行を防ぐことができるかを調べる臨床研究を東京医科歯科大学のグループが始めました。同様の研究は子どもでは行われていますが、大人では初めてです。
グループによりますと、特殊な装置を使って目に赤色の光を当てることで網膜を包む膜が厚くなり、眼球の変形が進んで近視が悪化するのを防ぐ効果が期待できるということです。
臨床研究では、強度の近視などの症状がある18歳以上の患者30人を対象に2か月間にわたって毎日2回、3分間光を当ててもらい、効果や安全性を調べるということです。
グループによりますと、目に赤色の光を当てる治療は海外では小児で承認されている国もあるということですが、大人での臨床研究が行われるのは世界で初めてだということです。
大野教授は「重い近視が進むことによる失明は、これまで治療が難しく、経過を見るしかなかった。研究で有効性が証明されれば、自宅でも行えるような画期的な治療法になるはずだ」と話しています。
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米ニューヨーク大学の研究チームは9日、事故で顔の半分が大きく損傷した男性患者に眼球を丸ごと移植する初の手術を実施したと発表した。視力を改善させるための角膜移植は普及しているが、これまで眼球全体を移植した報告例はなかった。
発表によると、患者は46歳の男性。2021年に仕事中に高圧線で感電し、顔を含む上半身の左半分を大きく損傷した。手術は今年5月に行われ、30代のドナーから提供された左目の眼球と顔面の一部を同時に移植した。視神経を再生させる目的で、さまざまな組織の元になる幹細胞も同時に移植していた。
手術から半年がたち、移植した左目の網膜に血流があるなど健常な状況が示唆される一方、脳とつなぐ神経が途切れたままとみられ左目に視力はないという。移植を担当した医師は「当初の目標は、(移植した)眼球を少なくとも90日間生かすことだった。期待をはるかに超えている」と述べ、新たな可能性を開く成果だと強調した。
男性は右目の視力は維持している。今年7月に退院して復職も検討しているといい、大学を通じて「人生を変えてくれた」と感謝の言葉を伝えている。【ニューヨーク八田浩輔】
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10代から「老眼鏡」が必要になる人もいる…眼科医が警告する「若者のスマホ老眼」という重大リスク
9/25(月) 15:17配信
「スマホ老眼」になる若者が増えている。眼科医の平松類さんは「老眼は、目の老化現象の一つとして認識されているが、高齢者だけのものではない。スマホの長時間利用で目のピント調整機能が低下し、10代・20代の若者が老眼鏡をかけるケースもある」という――。
※本稿は、平松類『眼科医が警告する視力を失わないために今すぐやめるべき39のこと』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
「メガネを使うと近視が進む」というのは、都市伝説級に根拠のない話です。似たようなもので「老眼鏡をかけると老眼が進む」というのも完全なる誤解です。
こんな説がまことしやかに伝わってきた根っこには、根性論があるのでしょう。近視も老眼も、目を鍛えることで進行を食い止められるはず。ものを見やすくするメガネを使うのは目を甘やかすことであり、それでは目が鍛えられない。見えづらくても見ようとすることで目が鍛えられる──。
実は眼科専門医の間でも、以前はこのように信じられている節がありました。現状の視力にピッタリ合わせた度数よりも、少し弱い度数でメガネを作るのも、当時は当たり前だったようです。
しかし視力は筋肉とは違います。鍛えれば能力が上がるという性質のものではないので、弱っているのなら相応にサポートしてあげる必要があります。
現に、視力にピッタリ合わせた度数のメガネを使うグループと、少し度数を弱めに調整したメガネを使うグループとで経過観察をした臨床実験では、「両者において近視の進行具合に違いはない」という結果が出ているのです。
つまり、「近視の進行度合い」と「メガネの度数」には相関がないということ。ピッタリ度数を合わせたメガネを使うことは、目を甘やかし、近視を進めることにはつながらないのです。
■遠近両用メガネが近視の進行防止につながる
近年では、むしろ遠近両用のメガネやコンタクトレンズを使っていると、ごくわずかながら近視の進行が緩和されると新たに指摘されているのです。
専用の遠近両用メガネ(コンタクトレンズ)は、手元を見るときでも、手元を見ていないような目の状態に自動的に調整してくれます。近視を進行させる最大の要因は、近距離でものを見ることなので、その状態を生じさせない遠近両用メガネ(コンタクトレンズ)が、近視の進行防止につながるというわけです。
まだ日本ではあまり普及していないのですが、中国などでは近視の進行防止の目的で、大人だけでなく子どもにも、近視抑制専用の遠近両用のメガネやコンタクトレンズを処方する医師が増えてきています。
ただし、「メガネをかけたくないから近視の進行を食い止めたい」という人にとっては、「近視の進行を食い止めるためにメガネをかけなくてはいけない」という点がジレンマになります。近視の進行防止策としての遠近両用メガネ(コンタクトレンズ)が普及しない理由も、そのあたりにあると考えられます。
■メガネの度数は「自分の使い勝手」で選ぶ
ここまでの話で、メガネは目を甘やかし、衰えさせるツールではなく、視力に合わせて目をサポートしてくれる便利ツールだということが、おわかりいただけたかと思います。根性論で、いくら「メガネなし」でがんばってみても意味がないのです。
すでに述べたように、「近視の進行具合」と「メガネの度数」には相関がないので、メガネの度数は個々の使い勝手に合わせてかまいません。いってみれば「鉛筆とボールペン、どちらのほうが自分は書きやすいか」というような話です。
もちろん前の項でお話ししたように、「1時間ごとに、できれば6メートル、難しければ2メートル以上遠くを20秒間ほど見る習慣をつける」ことをお忘れなく。
■老眼鏡を使い始めるベストタイミング
一方で、老眼鏡は、老眼になったらすぐに使い始めるのが得策です。これは今後の老眼の進行度合いなどの問題ではなく、「慣れ」の問題です。
遠近両用になっている老眼鏡は、慣れるまでに少し時間がかかります。そして「ものがちゃんと見えるかどうか(ツールとしてのメガネを使いこなし、ものがちゃんと見えるかどうか)」は日々の生活に大きく影響します。
60代、70代になってから使い始めるのではなく、早々に遠近両用に慣れ、使いこなせるようになっておくことが、その後のクオリティー・オブ・ライフを左右するといっても過言ではありません。
■老眼に年齢は関係ない
そもそも「老いた眼」という言葉が誤解の元なのですが、世間では目の老化現象の一つとして認識されている老眼は、実は高齢者だけのものではありません。
白内障ならば、今のような説明をすることで年齢に関係なく罹患する可能性があると理解していただけるのですが、老眼はなかなか納得いただけないことがあります。その字面から、一般的には、どうしても高齢者がかかるものという認識が抜けないようなのです。
この一般的な思い込みは、そもそも老眼とは何かをご理解いただければ、払拭されるかもしれません。
■老眼の実態は、ピント調整機能が低下
ひとことで言うと、「老眼」とは、遠くを見たり近くを見たりする際にピントを合わせる機能が落ちている状態です。
ピント調整機能が落ちている目(老眼)とピント調整機能が落ちていない目の違いは、「ものが見える距離のレンジ(幅)」です。
ここが混同されやすいのですが、ピント調整機能をまったく使わない「安静状態」で「近く」だけ見えるのは近視、「安静状態」で「遠く」だけ見えるのは遠視です。
この区分を明確にしたうえで、老眼に話を戻しましょう。
すでに述べたように、老眼はピント調整機能が低下しているということ。もう少し詳しく言うと、「安静状態」から、どれくらい手前までが見えるかという距離の幅が狭くなってくるということです。
■老眼は20代から進行する
老眼(ピント調整機能不全)とは、見える距離の幅のレンジが狭くなるということ。
例えば、ある近視の人が、40歳くらいまでは1メートル先から10センチメートル先まで見えていたのに、45歳になったあたりから、1メートル先から20センチメートル先までしか見えなくなったとしましょう。
そのため、今までは遠くを見えるように矯正する近視用のメガネで遠くも近くも見えていたのに、そのメガネだと20センチメートルより近いところが見えなくなってしまった。これはまさしく老眼の始まりです。
ピント調整機能は、一般的には、10代で8センチメートルまで、20代で10~12センチメートルまで、30代で14~20センチメートルまで、40代前半で25センチメートルまで見え、それが45歳では30センチメートルになるとされています。
このように、ピント調整機能の低下は20代から進行します。ただ、実際に「手元が見えなくて本が読みづらい」などの不調を自覚するのが40代以降であり、それまでは不便を感じないから「若いうちは老眼にならない」と思い込んでいるだけでしょう。
10代・20代で、45歳以上の人が作るような老眼鏡が必要になってしまったケースも、私はすでに多く目にしてきました。
老眼を「老いた目」ではなく、加齢だけに限らない何らかの理由で「ピント調整機能が低下した目」と捉えれば、決して中年以上だけのものとはいえないのです。
■子供の学習障害の原因になるケースも
スマホ老眼の例でもわかるように、日ごろのライフスタイルや生活環境、あるいは何かしらの先天的な体質や病気によって、誰にでも、何歳であっても生じる可能性があります。
例えば、小学生のお子さんが授業に集中できない、ノートを取れない、教科書を読めないといったことで、学校で問題視されていたとしましょう。真っ先に指摘されるのは、性格的な問題や、いわゆる発達障害の可能性ですが、実はそれ以外に、「何らかの理由で目の調整機能不全が生じており、手元がよく見えないから」という理由も考えられるのです。
手元がよく見えないためにノートをちゃんと取れない、教科書を読めない。だから授業に集中できない。しかし視力検査では1.0などで「視力に問題なし」と出る。つまり遠くは見えているため、周囲に気づかれづらいのが難しいところです。
小さな子どもは、まだ自分の不調を正確に訴えるすべをもちません。
本当は手元が見えづらいことが原因なのに、「なぜ教科書が読めないのか」「なぜノートを取れないのか」と問われても、うまく答えられない。「つまらないから」などと適当に答える場合も多いでしょう。
でも、「メガネ(老眼鏡)」一つで解決するかもしれないわけです。この点を周りの大人が理解していないと、クラスを移されたり、集中力を上げる特別カリキュラムを組まれたりと、それこそピントの外れた策によって、子どもを無用に苦しめかねません。
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【老眼対策】「100円ショップの老眼鏡」に落とし穴 長時間の使用で疲労が溜まってしまうことも
NEWSポストセブン / 2023年8月31日 16時15分
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「痩せても免疫細胞が記憶」過去の肥満でも加齢黄斑変性悪化リスク…京大などチーム
その結果、過去に太っていたマウスは、標準的な体重に戻っても免疫細胞からサイトカインが多く分泌され、加齢黄斑変性の症状が悪化することが判明した。免疫細胞を解析したところ、サイトカインを作る遺伝子の働きが、脂質による刺激によって活発になっていた。
畑特定講師は「痩せても免疫細胞が肥満を『記憶』している。パーキンソン病など他の病気にも関係している可能性がある」と指摘している。
西田幸二・大阪大教授(眼科学)の話「過去の肥満が加齢黄斑変性に関係することを確認したのは初めてだ。もし、人でも同じことが起きていれば、新しい治療法の開発につながると期待される」