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白内障、手術で認知症予防 80代以上全員、自覚なくても注意
目のレンズである水晶体が濁る「白内障」。自覚症状の有無にかかわらず、80代では全ての人で白い濁りがみられるという。人間は情報の約80%を目から得ているともされ、手術で濁りを除去すると認知機能がアップすることは知られていたが、最近、認知症の発症を抑制しうるとのデータも報告されている。専門家は「自覚症状のあるシニアは手術を前向きに検討してほしい」と話している。
(山本雅人)
画期的なデータ
白内障と認知機能との関係について解説するのは、日本眼科学会理事長を務める大鹿哲郎・筑波大教授。大鹿教授らのグループは平成22年、両目を手術した白内障の患者102人を対象に、手術前と手術後で認知機能などがどのように変化したかを調べた
認知機能が正常で白内障か緑内障と診断された65歳以上の男女約3千人を対象に、数年間追跡調査したところ、白内障手術を受けたグループは、受けなかったグループに比べて、認知症発症リスクが約3割も低かったという。一方、緑内障の手術は認知症発症リスクとの関連はみられなかった。
大鹿教授は「認知機能の低下や改善ではなく、発症すると元に戻らない認知症の発症リスクを下げたという点で画期的」と強調する
年約150万件
白内障は、水晶体の成分であるタンパク質が加齢などにより変化することで起こり、目がかすんだり、暗いところで物が見えにくくなったりする。
80代だけでなく、70代でも約8割、60代で約6割の人に水晶体の濁りがみられるが、目薬や飲み薬で濁りを取り除くことはできず、手術が唯一の治療方法となる。
目の手術というと恐怖感を持つ人も多いが、「治療の技術も進歩し安全性も高く、体への負担も少ない」(大鹿教授)。実際、国内で現在、年間約150万件行われ、外科系の手術では最も件数が多い。
東京都大田区の83歳の女性は、目の状態をチェックしてもらおうと昨夏、眼科を受診したところ白内障との診断を受けて、手術した。
その内容は一般的な白内障手術で、麻酔は注射ではなく目薬。麻酔が効いたところで眼球の一部をわずかに切開して手術器具を挿入、水晶体の中身を超音波で砕きながら吸引し、アクリル素材の眼内レンズを挿入した。手術は30分もかからなかったといい、この女性も「痛くも怖くもなかった」と振り返る。
前述のように体への負担も少ないため、日帰り手術も可能だ。公的保険が適用される単焦点の眼内レンズの場合、片目で一般的な後期高齢者(1割負担)は2万円、3割負担なら6万円程度。
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メガネをかけている人のイメージって? 4,000人に聞いた最多の答えとは
プラネットは1月25日、「メガネに関する意識調査」の結果を発表した。調査は2021年12月17日~21日、全国20代以上の男女4,000名(男女各2,000名)を対象にインターネットで行われた。
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メガネ(度なしを含む)やコンタクトレンズの使用状況を教えてもらったところ、「メガネを使用(常に+必要なときだけ)」の「メガネ派」は57.5%と半数以上。「コンタクトレンズと使い分け」を加えると、実に4分の3の人(74.2%)がメガネを使用していることが明らかに。意外にも、4年前に実施した2017年調査と比べると、「メガネ使用率」は1.5ポイント、「メガネ派」も4.9ポイント低下した。
視力矯正(近視、乱視、遠視など)を始めた時期に関しては、メガネでは「中学生」(20.0%)、「高校生」(13.9%)と、両者で3分の1に。「小学校5~6年」以下も合計で2割近くにのぼることから、実に半数以上の人が高校時代までにメガネをかけ始めているよう。一方、コンタクトレンズでは、最多が「18~24歳」(32.5%)、これに「高校生」(29.4%)が続き、メガネよりピークが後ろずれしていることがわかった。
続いて、コンタクトレンズではなく、メガネを使用している理由を尋ねたところ、「目の中にレンズを入れることに抵抗がある」が最も多く47.3%。次いで「メガネのほうが楽」(43.8%)、「メガネをかけ慣れている」(30.9%)、「メンテナンスが楽」(26.9%)と続いた。
男女別にみると、男性は「目の中にレンズを入れることに抵抗がある」で女性よりも10ポイント以上高く、「メガネをかけ慣れている」でも男性の方が12ポイント上回る結果に。一方、女性の方が高かったのは、「コンタクトレンズだと目が乾燥する」で、11.5ポイントの差となった。
また、メガネをかけている時に気になることを聞くと、「レンズが汚れる」(48.4%)、「呼気や温度差でレンズがくもる」(47.4%)、「メガネが下がってくる」(34.2%)が上位にあがった。
次に、コロナ禍以降の視力の変化について調査したところ、31.5%の人が「(非常に+少し)低下した」と回答。要因については、「パソコンを見る時間が増えたから」(53.0%)や「スマホやタブレットを見る時間が増えたから」(50.9%)に回答が集中する結果となった。
最後に、メガネをかけた人のイメージについて聞いたところ、「真面目そう」が最も多く39.7%。特に若年層で「メガネ=真面目」とイメージする傾向が高く、同系列の「勉強/仕事ができそう」(19.9%)や「エリート」(7.7%)も共通して若年層で高い割合を示した。そのほか、「素顔とのギャップがある」(31.4%)、「おしゃれ」(11.9%)、「個性的」(7.9%)が上位にあがった。
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「朝、3分間、長波長の赤い光を目に当てると、加齢で低下した視力が改善する」との研究結果
<英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究チームが、赤い光を2週間にわたって毎朝3分間見つめる実験を行ったところ、コントラスト感度が被験者全体で14%改善した>
ヒトの網膜の細胞は、40歳くらいから老化しはじめる。その一因として、様々な生命活動で必要なエネルギーの貯蔵・利用にかかわるアデノシン三リン酸(ATP)を合成するミトコンドリアが加齢に伴って減少する点があげられる。網膜の視細胞は多くのエネルギーを必要とし、ミトコンドリアが密集している。そのため、他の器官よりも速く老化し、光受容体機能の低下をもたらす。
赤い光を2週間にわたって毎朝3分間見つめると、14%が改善
英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究チームは、波長650~900ナノメートルの長波長の光によってミトコンドリアのエネルギー産生力が向上する点に着目し、長波長の赤い光を用いた網膜の視細胞の機能改善について研究している。
マウス、マルバナバチ、ミバエの実験では、波長670ナノメートルの赤い光を目に当てると、網膜の視細胞の機能が著しく改善した。また、28~72歳の24人を対象とする実験では、懐中電灯が発する波長670ナノメートルの赤い光を2週間にわたって毎朝3分間見つめさせた結果、コントラスト感度が被験者全体で14%改善し、38歳以上では22%改善した。
「低下した視力の改善には、朝の時間帯に光を当てることが重要」
研究チームはさらに、光を当てる時間帯によって改善効果が異なるのかについても調べ、2021年11月24日、その研究成果を「サイエンティフィック・リポーツ」で発表した。
34~70歳の20人を対象に、朝8~9時の3分間、波長670ナノメートルの赤い光を見つめてもらい、その3時間後にコントラスト感度を検査した。その結果、コントラスト感度が平均17%改善。年齢別でみると、38~49歳では14%、50~59歳では20%、60歳以上では19%改善した。また、そのうち10人を対象に1週間後、再びコントラスト感度を検査したところ、その効果は持続していた。一方、昼12~13時に3分間、波長670ナノメートルの赤い光を見つめた6人では、コントラスト感度に変化がみられなかった。
研究論文の責任著者でユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのグレン・ジェフリー教授は、「低下した視力の改善には、朝の時間帯に光を当てることが重要」とし、「これまでのハエの研究で、ミトコンドリアの活動パターンは変化しており、午後の光に対して同じように反応しないことがわかっている。今回の研究結果でもこの点が裏付けられた」と述べている。